「デイケアに通ってみたい」


――その一言を主治医に伝えるまで、どれほどの時間がかかっただろう。ようやく口にしたわたしに返ってきたのは、意外すぎる一言だった。


「楽しむ場所じゃないよ」って……どういうこと?

ちょっとびっくりした20年前。
デイケアとの出会いのお話です。


「……デイケアに通ってみたいです」


ありったけの勇気をふりしぼり、蚊の鳴くような声で主治医に伝えたときのこと。

わたしの心の中は、それはもう嵐のようで。
言おうと決めてから実際に口に出すまで、何度飲み込んだかわからない。

そんなわたしの一言に、先生が返してくれた最初の言葉は、ちょっと意外なものだった。

「デイケアは楽しむための場所じゃないよ」

えっ……? 楽しくないの?
そう思った方も、きっといるんじゃないかな。
わたしもね、正直びっくりした。
思わず「え、それ言っちゃう!?」って心の中でツッコんだ(笑)

でも、先生が言うには――
デイケアという場所は、

「社会に戻るためのリハビリの場」

なんだそう。

ただ楽しく過ごす場所じゃない。
これからの生活を少しずつ整えていくための、「練習の場」だと。

だから、楽しいだけじゃなくて、ちょっとしんどいこともある。
人と関わるのが疲れる日もあるし、黙って座っているだけで精いっぱいの日だってある。

デイケアは、いろんな背景をもつ人が集まる「小さな社会」。
その中で少しずつ、外の世界に慣れていく……
そんなステップのひとつなのだと聞かされた。

わたしは最初、「友達できたらいいな」とか「ちょっと楽しめたらいいな」なんて、ちょっとした期待と、山ほどの不安を胸に抱えていたけれど……。



実際に先生から出された最初の課題は、驚くほどシンプルだった。

「ただ、そこにいること」

えっ? それだけ?
口には出さなかったけど、頭の中はハテナマークでいっぱいだった。

「そんなの、簡単でしょ」って、当時はどこかで思っていたんだと思う。
だって、病気になる前のわたしだったら、普通にできていたことだったから。

でも、行ってみてわかった。
「そこにいるだけ」って、実はものすごく難しい。

なんせ当時のわたしは、8年モノの引きこもり。ようやく「外に出てみよう」と思えたばかりの新米患者。毎日通うだけの体力も気力も、すっかり鈍っていて。

自分では気づいていなかったけれど、人の中に入るスキルなんて、ほとんど失われていたも同然だった。

にぎやかな部屋で何人もの人が楽しそうに時間を過ごしている中、自分の居場所があるのかもわからず、ただ「そこにいる」。
ものすごく緊張して、すぐにでも逃げ出したくなる。

――「いるだけ」って、けっこう、すごいことだったんだ。



ご無沙汰しております💦

体験記デイケア編はじまります。少しずつ当時のブログを整理し書き溜めたものをゆっくり投稿させていただきます。

また、よろしくお願いいたします🙇

みき


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